映画

「不完全なふたり」 監督 諏訪敦彦

・日常会話が延々と続く映画というのは好きなんだけど、これはちょっと違ったのかなあ。 ・退屈ではないのだけど、フィクションの世界の「日常会話」ではなくて、もっとリアルな日常会話なのかな。あー、日常会話と言ってもぎすぎすした日常会話だから見てて…

「主人公は僕だった」 監督 マーク・フォースター

・特別強烈な印象というのは残らないんだけど、心地いい。「感じのいい人」と同じような意味で感じのいい映画だった。登場人物たちが感じのいい人達だからだろうか。 ・これはこれでなかなか好きだ。けど、設定を生かしたもうちょっと刺激のある内容も見たか…

「大日本人」 監督 松本人志

・途中までは面白かった。突飛な状況を設定してそれを現実のものとして肉付けしていく、金のかかった冗談として楽しめた。 ・「ガキの使い」で、視聴者からの見当はずれな質問に松本人志が乗っかって話を膨らませていくコーナーがあるけども(ちょっと前に見…

「恋愛睡眠のすすめ」 監督 ミシェル・ゴンドリー

・妄想とか夢のシーンは映像的には好きな感じなんだけど、結局想像の世界に過ぎないところが弱い。あの映像を現実として構築してほしかった。なにしろ実際には映画自体が現実じゃないのだから。 ・これを観ていて「パプリカ」を思い出した。あの映画に感じた…

「監督・ばんざい!」 監督 北野武

・笑えなかった。テレビで見る今のたけしも笑えないけど、同じように笑えない。いつ頃からたけしで笑えなくなったのかなあ。「北野ファンクラブ」ぐらいまでは見てたなあ。 ・後半の結婚式のあたり、モンティ・パイソン、テリー・ギリアムのアニメっぽいとこ…

「アポカリプト」 監督 メル・ギブソン

・うーん、面白いと言えば面白いのだけど、期待した方向が違っていたのであまり乗り切れなかった。 ・メル・ギブソンの前監督作は挑発的にキリストを描いたものだったみたいだ。観逃したけど。そして、その次の映画の題名が「アポカリプト」となれば、自然と…

「ベロニカは死ぬことにした」 監督 堀江慶

・真木よう子の容姿以外に感じるところはなかった。そもそもが邪な気持ちで見始めたせいかもしれない。 ・なんだか説明的過ぎる。 ・この手の「遊び心」は俺には面白さが分からない。 ・決めのシーンではじめじめと湿気を帯びてきて、感傷のぬかるみに足を取…

「殺人の追憶」 監督 ポン・ジュノ

・もう何と言ってもドロップキックに象徴されるような一瞬の映像、ある意味刹那的な映像がいい。 ・理性の間隙を突く衝動と意識に先走る肉体に、不意を突かれる。 ・何気ないやり取りもアクションも笑いもテンポが心地いい。それでいてそのテンポは映画を重…

「ストリングス」 監督 アンデルス・ルノウ・クラルン/ 庵野秀明(ジャパン・バージョン)

・設定は面白いのだけど、何かの話のあらすじを聞かされているような単調さ。 ・オリジナルがどんななのか気になる。 ・「ジャパン・バージョン」ってなんだよ。 ・操り人形が生まれるときはどんなだろうと思ったらちゃんと見せてくれた。赤ちゃんの体は木で…

「スモーキン・エース」 監督 ジョー・カーナハン

・掘り出し物! なんでこんな地味な公開の仕方をしてるんだろう。 ・タランティーノの映画は好きなのに、惹句にタランティーノやらガイ・リッチーやら出てくる映画は俺の趣味に合わない事が多い。だけど、これはめずらしく面白かった。俺の基準では未だにタ…

「スパイダーマン3」 監督 サム・ライミ

・このシリーズのアクションは苦手だ。あまりにも無重力に人物たちと一緒に視点まで動くので、頭が追いつかない。空間が把握できない。視点だけはもう少し落ち着いてほしいなあ。 ・でも今回は今までより面白く感じたのは、巨大な砂男が出てきたからかな。俺…

「フランドル」 監督 ブリュノ・デュモン

・広大で空虚に見える風景を男と女それぞれの心の中と見ると面白い。笑える面白ささえある。 ・とは言えそれは俺の頭の中で勝手に戯画にしただけで、実際のところ全然笑える話じゃない。 ・「地獄のような戦場と美しい田舎」という単純な比較になっていない…

「不都合な真実」 監督 デイビス・グッゲンハイム

・映画を見る前にこの映画の批判を読んでしまったので、それなりに冷静に見ることができた。けど、それでもすっかりアル・ゴアのプレゼンテーションには引き込まれてしまった。 ・元次期大統領ですと自嘲気味に行っていたけど、あれはまだ次期大統領になれる…

「悪夢探偵」 監督 塚本晋也

・なめてました。怖い。 ・刃物の映像がなんか苦手なんだよな。実物は平気なのに。この映画に限らず、刃物のアップだけの映像でもスクリーンから目をそらしたくなる時がある。 ・金属と肉体というのは、視覚的に妙に合うんだよな。補色の組み合わせが映える…

「キムチを売る女」 監督 チャン・リュル

・後半になるくらいまで、なんだろう、動きのなさが退屈で仕方なかったんだけど、映画のペースに慣れてくると面白味がじわじわと広がってくる。 ・うーん。とはいえ、苦手な映画だ。

「エレクション」 監督 ジョニー・トー

・アジアっぽい前のめりな勢いに引きずり回される。アジアっぽいと一言でまとめてしまうのは大雑把過ぎるか。 ・けど、人物関係がわかりづらかったなあ。 ・もっとアクションシーンが見たかった。

「ヘカテ」 監督 ダニエル・シュミット

・うーん、かっこいい。格好良さに流されてこの映画が描こうとする「愛」を見逃してしまった気がする。 ・気付いた時には裏側の世界にいる感覚をもう少し俺が掴めれば、もっと感じるものがあったかもしれない。 ・縦横無尽に交差する実体と影、シルエット、…

「DEATH NOTE デスノート the Last name」 監督 金子修介

・前半のなまくら刀から一転して、Lと月の直接対決が鮮明になって刺々しさが出てきて面白くなってきた。 ・それから前半の主人公周辺だけの話から、やっともう少し社会が描かれ始めた。もっと世の中が出てきたら面白かったと思うんだけどなあ。 ・冤罪で殺し…

「DEATH NOTE デスノート 前編」 監督 金子修介

・やっと見ましたデスノート。 ・こういう知恵比べみたいな映画だと自然と粗捜ししながら見てしまうし、話題作だったこともあるし、他の映画のように単純に楽しもうとして見る事ができない。もし酷評ばっかり目にしてたらまたちょっと話は違うんだけど。 ・…

「輝ける女たち」 監督 ティエリー・クリファ

・もう少し実のないおしゃべりがあってもいいような気はしたけど、久しぶりに俺がイメージする「フランス映画」らしい「フランス映画」を観たなあ。こんな入り乱れた関係に巻き込まれてみたいもんだ。あまりに縁遠い話なので一種の憧れでもって観た。 ・エマ…

「ラストキング・オブ・スコットランド」 監督 ケヴィン・マクドナルド

面白い。俺の場合、だいたい「すごい面白い」と思う映画は何かしら強烈な違和感のようなものが源になっている場合が多い。それは視覚的な印象だったりドラマ的な印象だったり側面は様々だけど、なにかしら刺激を受けて面白いと感じる。だけど、この映画では…

「デジャヴ」 監督 トニー・スコット

「ドミノ」ほどの興奮はなかった。評論家の中にはトニー・スコットを褒める人もいるのでもしかしたらと思っていたんだけど、やっぱりトニー・スコットはトニー・スコットだったなあという感じだ。「ドミノ」は突然変異的な怪物だったようだ。 なんかSFみたい…

「鉄コン筋クリート」 監督 マイケル・アリアス

うーん、どうなんだろう。すごく格好いい。原作の雰囲気が良く出てる。 なのに、なにか物足りない。 漫画から映画に移し換える際に、何かが、特に遊びの部分がこぼれ落ちるのは必然かもしれないけど、そのせいで骨格のべたな部分が表に出過ぎている気がする…

「オーロラ」 監督 ニルス・タヴェルニエ

パリ・オペラ座全面協力!という宣伝文句から想像する映画とはかなり違った。かなり強烈で俗悪趣味と紙一重だ。というか、一線を越えてしまっているかもしれない。面白い。全然パレエについて知らないけどこれがバレエの世界なのか? 子供向けを装った顔の裏…

「ピアニストを撃て」 監督 フランソワ・トリュフォー

良く喋るのどかな犯罪映画だ。いびつさが面白い。制作時にどんな意図を持って作られたのかは分からないけど、拉致した相手と和気あいあいと車の中で盛り上がったりするところなんかは、シュールなコメディのようだ。 無駄口を叩き脇道にそれる犯罪映画は今で…

「イカとクジラ」 監督 ノア・バームバック

このへなちょこな雰囲気がたまらなくいい。 いびつな家族をシニカルな笑いで見せる映画は多い。けどこの映画が特にいいのは、自己嫌悪、自責、自虐といった虚弱さが、笑いにも皮肉にも押し潰されずに生々しく保持されているところだ。ひねくれてしまった子供…

「硫黄島からの手紙」 監督 クリント・イーストウッド

俺は「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」の2本の映画で日米双方からの視点が描かれることを期待していたのだけど、残念ながら「硫黄島からの手紙」は主人公が日本人になるだけで、日本人の思想に踏み込まない。たぶんアメリカ的と言っていい合理主義や…

「シャーロットのおくりもの」 監督 ゲイリー・ウィニック

豚が喋る! となれば「ベイブ」を連想してしまう。もう、あれはたまらなく好きな映画だ。のだけど、「シャーロットのおくりもの」はあれほどのめり込む事はなかった。それが映画のせいなのか、自分の年齢や心持ちのせいなのかは定かじゃない。なにしろ「ベイ…

「ボーン・アイデンティティー」 監督 ダグ・リーマン

本当はポール・グリーングラスの「ボーン・スプレマシー」が観たかったのだけど、「一応1作目から観ておくか」程度の興味で観た。期待してなかったのが幸いしたのか、なかなか面白い。話自体はよく分からない部分が多々あるけど、汗臭さのない緊張感が持続す…

「ダニエラという女」 監督 ベルトラン・ブリエ

久々に本格的に分からない映画を観た。 たぶんコメディ? だよな? 笑えるんだけどそれでいいんだよな? こんなに分からないと新鮮だ。監督はベルトラン・ブリエ。この監督はカンヌで賞獲ったりしているらしい。なるほど、この監督の名は今まで知らなかった…