「ボーン・アイデンティティー」 監督 ダグ・リーマン

ボーン・アイデンティティー スペシャル・エディション [DVD]
本当はポール・グリーングラスの「ボーン・スプレマシー」が観たかったのだけど、「一応1作目から観ておくか」程度の興味で観た。期待してなかったのが幸いしたのか、なかなか面白い。話自体はよく分からない部分が多々あるけど、汗臭さのない緊張感が持続する。
どうも設定からするとかなり大規模な組織のようなんだけど、どこか田舎の弱小暗殺組織の対立のような印象が残る。「ミッション・インポッシプル」のような派手さがないからか。だけど、それは欠点にはなっていない。むしろそれが長所かもしれない。上品な薄味。「上品」というと言い過ぎか。
ただ、記憶をなくした暗殺者と巻き込まれた女に絞って描いていればもっと面白かったんじゃないかなあ。暗殺に失敗した原因とかラストで明らかになるプロジェクトとか、この映画の面白さに全然貢献してない説明部分はばっさり切り落とすか、逆にもうちょっと有効利用するかして欲しかった。