「殺人の追憶」 監督 ポン・ジュノ

殺人の追憶 [DVD]
・もう何と言ってもドロップキックに象徴されるような一瞬の映像、ある意味刹那的な映像がいい。
・理性の間隙を突く衝動と意識に先走る肉体に、不意を突かれる。
・何気ないやり取りもアクションも笑いもテンポが心地いい。それでいてそのテンポは映画を重心を上げてしまわない。あくまでも低く低く地を這うように。意識の底をさらうように。
・よく分からないのはこの題名だ。この題に相応しいのは最後のエピローグ的なシーンだけだ。そして最後のカメラ目線にどんな意味が込められているんだろう。個人の追憶というより、韓国という国の追憶なんだろうか。これは韓国人ならみんな知っているような事件だったんだろうか。
日本で適当な例が浮かばないけど、例えば宮崎勤の事件が未解決だったとして、それを映画にしてエピローグを現在にして「殺人の追憶」と題名をつけてしまう様な感じなんだろうか。おー、だとしたらより怖い。