「鉄コン筋クリート」 監督 マイケル・アリアス

鉄コン筋クリート オリジナル・サウンドトラック

うーん、どうなんだろう。すごく格好いい。原作の雰囲気が良く出てる。
なのに、なにか物足りない。
漫画から映画に移し換える際に、何かが、特に遊びの部分がこぼれ落ちるのは必然かもしれないけど、そのせいで骨格のべたな部分が表に出過ぎている気がする。随所にある印象的なセリフも、たぶんある程度の長さの中でぽつりと出て来ると受け入れられるけど、効率よくまとめられてしまった中ではやはりちょっと浮いてしまう気がする。無駄なくまとめすぎているのかもしれない。中心となる物語を破綻させるほど無意識を解放した映画を期待したのだけど、逆に隅々まで高度に管理された、衝動さえ管理された映画を見た気がする。松本大洋の中に巣くう獣が映画の中にも宿ることを期待する方が無理なのか。
うーん、原作を知らなければ、変な期待をしなければ、ほめていたのかなあ。