「スモーキン・エース」 監督 ジョー・カーナハン

Smokin' Aces
・掘り出し物! なんでこんな地味な公開の仕方をしてるんだろう。
タランティーノの映画は好きなのに、惹句にタランティーノやらガイ・リッチーやら出てくる映画は俺の趣味に合わない事が多い。だけど、これはめずらしく面白かった。俺の基準では未だにタランティーノ映画に似た映画は見たことがない。と言うと言い過ぎか。
・ともかく、この映画の面白さの路線も、ガイ・リッチーはともかくタランティーノの映画とはだいぶ違うと思う。もっとも、それはタランティーノの映画をコメディとして見ている俺の見方のせいかもしれない。この映画には悪趣味なユーモアはふんだんに盛り込まれているけど、コメディじゃなかった。
・もちろんそれは全然問題ではなくて、この映画にはこの映画の面白さがある。
・登場人物がみんな魅力的だ。単に奇をてらっいて個性的という事ではなくて、魅力がある。用心棒と女殺し屋のその後とか気になる。これだけの人物を登場させて、これだけたたみかける展開の中で、よくこれだけそれぞれの息遣いを描き分けたもんだ。
・ストーリーはどうでもいいので、心臓の話とか伝説の潜入捜査官の話とかはなくても良かった気がする。
・人が吹っ飛ぶ瞬間とか、銃口の火花が散る瞬間とか、遠くのビルの窓が発砲で光る瞬間とか、俺の快感のつぼを突く瞬間映像がけっこうある。何がそんなにいいのか自分でもよく分からないけど。
・色鮮やかな画面はミュージックビデオ的な感じで、そういうのを毛嫌いする人もいるけど、俺はそういうのも結構好きだ。
・最後のクレジットを見るまでアリシア・キーズが出ていたとは気付かなかった。まあ、アルバムジャケットでしか顔を見たことないので当たり前か。それにしても女優業もやるとはちょっと意外。歌一筋かと勝手に思っていた。