劇場

「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」 - 故郷を目指す人達

「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」 オフィシャルページ 監督 トミー・リー・ジョーンズ この映画も観てからすっかり時間がたってしまって印象が薄れてしまった。 これもまた家、故郷を探し求める話と言って良さそうだ。なぜ最近のアメリカ映画では…

「ファザー、サン」 - 子供の頃に想像したヨーロッパ映画

「ファザー、サン」 オフィシャルページ 監督 アレクサンドル・ソクーロフ まだ小学生か中学生の頃、ヨーロッパの映画といえば静かで眠くて退屈な映画だと思っていた。その感覚をまた思い出すことになるとは。高尚すぎてまったく歯が立たない。ゆらめく映像…

「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」 - 物質の存在と偽の命が浸食し合う

「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」オフィシャル・サイト 監督 ニック・パーク いい!「チキンラン」が少し期待はずれだったので、長編はだめなんじゃないかと思っていたけどそんな事なかった! 俺が一番好きなのは、映画全体からすると地味な部分…

「ククーシュカ ラップランドの妖精」 - 非観光誘致映画

http://kukushka.jp/index.html 監督 アレクサンドル・ロゴシュキン 「ラップランドの妖精」という副題を真に受けて、妖精が出てくる話かと思ったら全く違った。お互いに言葉の分からない3人が話が通じているかのように会話している姿はおかしいんだけど、も…

「ラストデイズ」 - 意匠の餌としての人間

http://www.elephant-picture.jp/lastdays/ 監督 ガス・ヴァン・サント ガス・ヴァン・サントは自殺を考えた事がないんじゃないだろうか。それはもちろん悪くないが、だったらこの映画も主人公ブレイクの周囲の人間の誰かを主役にした方が良かったんじゃない…

「ブロークン・フラワーズ」 - 把握しきれないところに何かがある

ジェイエステティックの口コミ・評判まとめ【脱毛・フェイシャル・ボディ編】 監督 ジム・ジャームッシュ 「一番好きな映画は?」という質問は難問だけど、観た回数を基準として考えるなら、俺の場合はたぶん「未来世紀ブラジル」かジム・ジャームッシュの「…

「好きだ、」 - もの思いにふける時間の肯定

su-ki-da.jp 監督 石川寛 あまり得意なタイプの映画ではないけど、観ていてあまり飽きない。繰り返される単調さが、かすかなリズムを生む。自分の過去を懐かしんだり現在の状況を重ね合わせたりする事はあまりはなかったけど、こんな風な人達もいるのかとい…

「ニュー・ワールド」 - 意識を逆撫でする時の流れ

携帯FAX送信&受信方法!|モバイルやスマホでファックスを送ろう 監督 テレンス・マリック どうにも苦手な監督が何人かいるが、テレンス・マリックという監督もそういうひとりだ。とりあえず有名な監督だし、たぶん映画館もすいてそうだし、とりあえず見てお…

「チェコ・アニメ映画祭2006」 - 興味の方向がちょっと違った

http://www32.ocn.ne.jp/~rencom/cesk06/06TOP.htm Dプログラム 「シューティング・ギャラリー」 「リンゴのお姫様」 〔ふしぎな庭シリーズ〕「動物が好きな男」 〔ふしぎな庭シリーズ〕「広がる霧」 〔ふしぎな庭シリーズ〕「トラをつかまえろ!」 〔ふしぎ…

「ブロークバック・マウンテン」 - 見所が分からなかった

http://www.wisepolicy.com/brokebackmountain/ 監督 アン・リー ゲイの話、周囲の視線に耐える話かと思っていたが少し様子が違っていた。ゲイという背景を持った人の、人生全般についての映画のようだ。 画面はきれいだけど、うーん、なんだろう、まったく…

「アメリカ、家族のいる風景」 - 時間が造るもの

http://www.klockworx.com/america/ 監督 ヴィム・ヴェンダース 西部劇の時代はもう幻想や追憶になってしまった。まずそういう説明がなされているように見える。古き良き時代ではなくなってしまった事を象徴するかのように荒野のロケ地を走るセグウェイ。 俺…

「ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR」 - プールに滲む鼻血

監督 ティムール・ベクマンベトフ http://www.foxjapan.com/movies/nightwatch/ 前半はいい。ホラーやスプラッターが苦手な俺にはすこし刺激が強い部分もあるけど、それでも、固定観念に破れ目を生じさせるいかがわしい映像の頻出にかなりしびれる。プールに…

「タッチ・ザ・サウンド」 - 音の存在、存在の音

オーガニックドッグフードの詳細について 映画や本の面白さの一つには、ものの見方や感じ方が変わってしまうということがある。終始音に焦点を当て続けるこの映画を見終わり映画館を出た時、それが実感できる。この映画を観た後しばらくは、これまで雑音とし…

「サウンド・オブ・サンダー」 監督 ピーター・ハイアムズ

www.sot-movie.jp – このドメインはお名前.comで取得されています。 理屈に引っかからなければ、怪物達から逃げ回るところは普通に面白い。CGをたくさん使っているみたいだけど、街を歩くシーンは今時めずらしく合成っぽさが見え見えで、懐かしささえ感じる…

「イーオン・フラックス」 監督 カリン・クサマ

www.aeonflux.jp – このドメインはお名前.comで取得されています。 瞬きで蠅を捕まえる。オープニングでその映像を見た時、これはいいんじゃないかと期待した。でも、その後はどうも気持ちが盛り上がっていかない。面白い映像は随所にあるんだけど、話の展開…

「ふたりのベロニカ」 監督 クシシュトフ・キェシロフスキ

ふたりのベロニカ コレクターズ・エディション [DVD]出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2006/11/25メディア: DVD クリック: 11回この商品を含むブログ (28件) を見るこの感触をどう言葉で表現できるだろう。これについて書くのは、音楽について書くのと…

「アワーミュージック」 監督 ジャン=リュック・ゴダール

相続と保険NAVI…保険は相続されません 意味の分からないものは好きなのでいろいろ考えながら面白く見る事はできたけど、結局ゴダールが何を見せようとしたのかは分からない。久々にパンフレットを買った。シャンテのパンフレットにはシナリオが収録されてい…

「ヒストリー・オブ・バイオレンス」 監督 デヴィッド・クローネンバーグ

預金と融資|日本版公式サイト クローネンバーグは苦手な監督だ。あのハリボテ感についていけないことが多くて、今まで見た中では唯一「クラッシュ」だけが面白いと思えた映画だった。だけど、この「ヒストリー・オブ・バイオレンス」には、その俺が苦手と感…

「ミュンヘン」 監督 スティーブン・スピルバーグ

日本の伝統文化である着物の知識を深めよう初めての着物ライフ〜着物の種類やきつけHowTo これも見てから時間がたってしまった。だけど、これは考えたいテーマがいろいろあるような気がする。思い出せる範囲で書いていこう。 見る前に、かなりきつそうな映画…

「フライトプラン」 監督 ロベルト・シュヴェンケ

「フライトプラン」HP サスペンス映画は、どこに見所があるのか掴めないものが多くて苦手だ。あの「羊たちの沈黙」も、どんなところに何を感じて、そんなにみんなが褒めるのかよく分からなかったし。決してつまらなくはないんだけど、かといって、特に引き込…

「アサルト13 要塞警察」 監督 ジャン=フランソワ・リシェ

警官と囚人の疑心暗鬼急造チームが立てこもる警察署、攻め落とそうとする悪徳警官という対立の設定は面白い。キャラクタもなかなか。けど、なんか物足りない。 俺が苦手なブライアン・デ・パルマとかブライアン・シンガーと同じ方向を向いているような気がす…

 「クラッシュ」 監督 ポール・ハギス

「クラッシュ」HP だんだんと人種問題を扱っている映画らしいと見えてくる。「クラッシュ」という題名は、ハンチントンの「文明の衝突」を観客が連想する事も意識したものなのかもしれない。そう考えて少し不安になる。そういうテーマは頭では理解したつもり…