「マッチポイント」 監督 ウディ・アレン

http://www.matchpoint-movie.com/
ウディ・アレンはほんとにはずれがない。まず今回もそこに感心する。
大まかなストーリーはどこかで聞いたようなどこか古典的な話だ。しかし、男も女も大小様々な欲にどうしようもなく流されていく場の会話や息遣いのディテールが面白い。みな自分の様々欲を中心にして解釈しお喋りし行動する。それは映画の中だけに限らない。どのような形であれ、自分の欲を根に持たない愛はない。
映画はなんだか文学的な展開を見せるのだけど、俺が今までイメージしていたウディ・アレンの映画とはちょっと違っていて、意外と粘り腰。安易な軽さにまとめてしまわない。


はずれがないウディ・アレンなんだけど、ここ数年は続けて見逃している。
もしかしたら、まだ観ていない映画を観ることを俺はギャンブルのように捉えているのかもしれない。入場料と自分の数時間を賭けて当たり映画を引く博打。俺が映画を見続けているのも、そう考えるとしっくりくる。
そして必ず勝てる博打は面白くない言う。もしかしたらウディ・アレンの映画に対してはそれと同じような心理が働いているのかもしれない。ウディ・アレンの映画は鉄板過ぎて、観に行くことにあまりギャンブル性を感じない。