「ローズ・イン・タイドランド」 監督 テリー・ギリアム

http://www.rosein.jp/
なんとなくやりたかった事が見えないでもない。だけど、この盛り上がりのなさはなんだろう。不思議の国にいつ行くんだろう、いつ行くんだろうと思っていたら、ついに行かなかった。うーん、行かなかったわけではないのか。ただ、すぐに現実の世界に引き戻されてしまう。女の子の現実である空想の世界がそのまま映画の中の現実となる事はついになく、映画は基本的に現実の視点を保ち続ける。ドラッグ、蠅、死体、セックス、事故、爆発。現実のシーンに戻った時に頻繁に浮かんでくる「さっきのは女の子の空想でしかないのか」という印象によって、空想は空想以上の物に昇格しない。女の子の見る光景は、そういった現実に去勢され続ける。それが盛り上がらない原因なのかなあ。いやー、それはそれで見せ方で面白くなりそうだけどなあ。
この最後の爆発に至る過程の感触は、映画か漫画か小説か何かで見たような気がするんだけど、うーん、思い出せない。