「あした天気になあれ」 ちばてつや 著

58巻も読んでおいて何だけど、面白いとは素直に言い難い。
なにしろ一度も負ける事がない。途中、数ページだけ「最近スランプだ」ぐらいの事が書かれているけど、メインとなる試合では偶然の力ですべて最終的に勝利を収める。ただ、1981年から1991年の10年間連載していたものらしいので、連載で読んでいた人は当然10年かけて読んでいたわけだ。そのスピードで読んでいれば、途中の小さな勝ち負けで盛り上がって、最終的には常に勝っていたということは気にならないかもしれない。それを数日で読んでしまってどうこう言うのはフェアではない気もする。
ただ、もうひとつ物足りないのは、パロディに見えるほど「あしたのジョー」そっくりに見える演出もあるのに、「あしたのジョー」のような人間関係のドラマがない。あれは梶原一騎の原作の力だったんだなあ。
いや、この漫画もつまらなくはないんだけどね。俺はゴルフは全くやらないけど、もしテレビ中継を見る事があったら少しは今までと違った目で見る事はできそうだ。