「ラカン」 フィリップ・ヒル 著

ラカン (ちくま学芸文庫)
・一応入門書らしいのだけど、意味ありげな言葉が説明なしに出てきたりして、ちょっと付いていけない部分があった。
・難しいのは、流動性を持った意味と言葉でそれ自体を説明しようとしたり、矛盾を論理的に説明しようとしたり、単独では存在せず関係性の中で始めて立ち現れるものについて説明しようとしているため……なのかな?
・「人生とはすなわち病であり、ならばその治療は死である。」
1フレーズだけ抜き出して名言のように扱うといろいろなものが抜け落ちてしまうので抵抗はあるのだけど、このフレーズには痺れた。
・問題(のように見えるもの)を直せば良い、という単純な論理に普段簡単に陥るけど、問題(のように見えるもの)は実は別の問題の解決法だったというのは日常的とまでは行かなくてもたまに遭遇する状況だ。しかし、人の心もそういうもののなのか……
・面白いなと思うのは、無意識というやつもそうやってシステマチックに動いているらしいということだ。なぜもっとめちゃくちゃにならないんだろう。