「東京の男の子」 魚喃キリコ、大久保ニュー、安彦麻理絵 著

・面白くない…… ・女の子同士のおしゃべりが面白くないのは想像ついてたけど…… ・なにしろタランティーノが撮ったって面白くなかったし…… ・個人的な話に終始するからなのかなあ……

「映画崩壊前夜」 蓮實重彦 著

・高尚過ぎて理解できない部分が多い。 ・特に仰々しく響く表現には虚しささえ覚える。 ……「傑作」を遥かに超えたこのフィルムに不意打ちされ…… ……映画史の傑作といった概念を超えて…… ……これ一本でハリウッドの歴史に拮抗しうる途方もない作品である。 ……ハ…

「ザ・ロード」 コーマック・マッカーシー 著

・だいぶ誉められているようだけど、どこらへんがそんなに良かったんだろう。 ・昔、近未来がかっこいいと感じる時期があった。「マッドマックス」とか「北斗の拳」とか。199X年を舞台にしたSFがたくさんあったと思う。そういうのを思い出して懐かしい感じが…

「上海ベイビー」 衛慧 著

・変な期待をし過ぎたのかもしれない。中国ではこれが過激なのか?

「チャパーエフと空虚」 ヴィクトル・ペレーヴィン 著

・うーん、面白さがよく分からなかった。 ・複数の世界が混在する話は今までにもいろいろあったと思うのだけど、この本の特徴はどこにあるのだろう。 ・理解するには背景の知識がもう少し必要だったのか? ・いや、そういうことじゃないんだな、きっと。結局…

「蓼喰う虫」 谷崎潤一郎 著

・優柔不断な性格、いろいろ考えた上で結局動けなくなってしまう性格、で、結局「どうにかならないかなあ」と根拠のない期待を持って後回しにして性格。もう、俺のことが書かれているようで面白い。

「キャンディーの色は赤。」 魚喃キリコ 著

・本屋でたまたま見つけた。まだ書いてたんだな。奥付を見ると2007年8月。1年近く新作に気が付かなかったのか。 ・で、もう最大の期待でもって読み始めたのだけど、数ページ読んだ印象では、なんか前のように楽しめない! とちょっと焦った。なんか絵が大雑…

「ラカン」 フィリップ・ヒル 著

・一応入門書らしいのだけど、意味ありげな言葉が説明なしに出てきたりして、ちょっと付いていけない部分があった。 ・難しいのは、流動性を持った意味と言葉でそれ自体を説明しようとしたり、矛盾を論理的に説明しようとしたり、単独では存在せず関係性の中…

「ペンギンジャンプ」 さかざきちはる 著

・キャラクタものに興味を持つことはあまりないのだけど、suicaのペンギンはずっと結構好きだった。埼京線のsuicaモニター試験のポスターを見てからのファンなのでもう結構長い。試験は6年前だったらしい。飽きないな。 ・インクが紙ににじんだような線が、…

「さようなら、いままで魚をありがとう」 ダグラス・アダムス 著

・「銀河ヒッチハイク・ガイド」4作目。 ・うーん、これはちょっと物足りないなあ。 細部は今までどおりに笑いで彩られてるんだけど、大筋の素っ頓狂加減が物足りない。

「あのときの王子くん」 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ 著

・題名が違うが「星の王子様」の別翻訳。一応[本]と分類したけど、webで読んだ。 あのときの王子くん LE PETIT PRINCE アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ Antoine de Saint-Exupery 大久保ゆう訳・なぜこんなに人気があるのか不思議だ。寂しさが漂ってい…

「長いお別れ」 レイモンド・チャンドラー 著

・村上春樹版を読む前にもう一度清水俊二版を読んでおこうと思った。 ・この本は何度か読み返しているのだけど、その度にこんなに面白かったっけ?と思っているような気がする。一番最初に中学生くらいで読んだときは少し背伸びするような感じだったので、そ…

「グラモフォン・フィルム・タイプライター 上・下」 フリードリヒ・キットラー 著

・文章をどこまでそのまま受け取って良くて、どこまでがただのレトリックと解釈した方がいいのか迷う部分が俺には多かった。 ・グラモフォンのところは工学的な知識が背景になっていて、その辺はどうにか内容を追いかけていけたんだけど、フィルムとタイプラ…

「植物診断室」 星野智幸 著

・似た境遇にまず親近感を覚える。最近徘徊してないなあ。成り行き任せの徘徊は楽しい。 見落としたのが信じられないほど、その路地は寛樹好みの肢体を持って魅惑していた。 いい文章だ。 ・この植物のイメージがいいな。たまらない。世の中には動物的な人間…

「セクシーボイスアンドロボ」 黒田硫黄 著

・ドラマになったってことでタイトルをどこかで聞いて、その子供っぽい響きというか古臭い響きというかテキトー感あふれるタイトルになんとなく惹かれるものを感じていたら、コンビニでたまたま原作コミックが目に入ったので読んでみた。 ・かっこいい! ・…

「行動経済学」 友野典男 著

「経済学」と聞くと、市場がどうとか銀行がどうとか「経済ニュース」のようなものを思い浮かべてしまうのだけど、この本で扱っているのはそういう事ではなく、俺のイメージで言うと「マーケティング」や「心理学」に近い。一般人がどんな指向を持って選択を…

「コマ大数学科特別集中講座」 ビートたけし、竹内薫 著

対談中心で中身が少し薄い。番組の採録をメインにしてもらいたかった。全回分載せるわけにはいかなかったのか。 とは言え、まあ対談の方もなかなか面白い。数学へのアプローチの違いとか物理畑と数学畑の考え方の違いとか。正攻法、美しい解き方、シミュレー…

2006年面白かった本

本はジャンルも様々だし時代も様々だけど、単純に俺が今年読んで面白かったという基準だけで選んでみる。54冊読んでいるので、上位1割の5冊。と思ったけど絞れなかったので7冊。果たしてこのリストは俺以外の人に意味があるんだろうか。カッコ内は著者。 1.…

「村上春樹と言葉の音楽」 ジェイ・ルービン 著

こちらは「世界は村上春樹をどう読むか」と違い、作品解説が中心で安心して読める。 特に短編に関しては、「ああ、そういう解釈ができるのか」と思うところがいくつもあった。短編は意味の密度が濃くていろいろ見落とすんだな。 逆に唯一解説が足りないんじ…

「世界は村上春樹をどう読むか」 柴田元幸、沼野充義、藤井省三、四方田犬彦 著

村上春樹は一番好きな小説家と言っても過言ではないと思う。だけど、村上春樹の小説が文学的な側面とベストセラーとしての側面に分けられるとしたら、俺はベストセラーとしての側面に反応しているのだと思う。そういう意味であまり大層に語られてしまうと少…

「Fが通過します」 佐藤雅彦 著

「世界一細長い本」という形状の面白さに釣られて買ってしまった。面白いと言えば面白いんだけど、買うほどじゃなかったなあ。俺にはワカラン。

「小説の一行目」 小説の一行目研究会 著

芥川賞、直木賞受賞作品の一行目だけを並べた本。詩のようでちょっと面白い。一行目はその小説世界への入り口だ。もしかしたら作者達が一番気を遣った文章かもしれない。けど、それだけを続けて見てもちょっと飽きるかな。

「世界の日本人ジョーク集」 早坂隆 著

うかつにも電車の中で読んでいて笑ってしまった。「アメリカン・ジョーク」がなんとなくつまらない考えオチの代名詞となったのはいつからだろう。俺がそう思ってるだけか。そもそも考えオチを「アメリカン・ジョーク」と言ってしまうのはどうなんだ。それも…

「ららら科學の子」 矢作俊彦 著

ハードボイルド作家だと思っていたら、いつの間にか文学の人になっている様子の矢作俊彦。この小説も裏稼業が出てきてミステリー小説の展開が起こるのかなと思いきや、ミステリーの事件らしい事件は起こらず現代東京見聞録といった感じで終わる。 1960年代後…

「ハチワンダイバー」 柴田ヨクサル 著

久々に気になる新しい漫画を知った。9x9の81マスに潜るという将棋の話だ。周りが見えなくなるほど集中し没入し何かを掴む感じを「潜る」と表現するのはとてもしっくり来る。 うまいんだかうまくないんだかよく分からない微妙な絵、登場する女の子の微妙なエ…

「竹光侍」 松本大洋/永福一成 著

待望の松本大洋最新作。原作者がいるのでどうだろうと思ったんだけど杞憂。今まで同様、妄想と現実が入り交じる。 何かと似てるなと思ったら、人物設定は「浮浪雲」に近い? あれも大好きな漫画だけど、「竹光侍」はここから業の世界の獣道を分け入って行っ…

「水は答えを知っている」 江本勝 著

これは惑星ソラリスの話か? 占いとか超常現象とかを俺はあまり否定的には捉えていないんだけど、この本は受け付けない。ただまあ、批判的な先入観を持って読んだ事は否定しない。 科学的にどうこうという点より(もちろん嘘っぽさの根源はそこだけど)、俺が…

「海辺のカフカ(上・下)」 村上春樹 著

最近村上春樹について書かれた本を続けて買ったので、その前に久しぶりに読み直してみた。読んだ時には前回見逃していたポイントに気付いたのだけど忘れてしまった。なんだっけな。 この本はいろいろな側面があるように感じるんだけど、「記憶」が重要な鍵の…

「ノイズと電源のはなし」 伊藤健一 著

口語的で文法的にはかなりおかしい感じでどことなく古くさい感じの日本語だけど、内容はなかなか分かり易い。題名からして読み物的な物を目指したのだろう。妙にテンションが高くてちょっと違和感を感じるけど、中身はしっかりしているおじいちゃんの授業を…

「small planet」 本城直季 著

風景写真集。なにも説明を受けずに見たら本物っぽく撮ったミニチュアだと思っただろう。ところが、やっぱり本物の風景写真なのだ。 興味深いのはなぜこれがミニチュアに見えるのかということだ。細部だけを見ればちゃんと本物に見える。だけど、なぜか全体を…