「コマ大数学科特別集中講座」 ビートたけし、竹内薫 著

コマ大数学科特別集中講座
対談中心で中身が少し薄い。番組の採録をメインにしてもらいたかった。全回分載せるわけにはいかなかったのか。
とは言え、まあ対談の方もなかなか面白い。数学へのアプローチの違いとか物理畑と数学畑の考え方の違いとか。正攻法、美しい解き方、シミュレーションの総当たり、数学へのアプローチの仕方の違いが番組は見事にチームのカラーになってるよなあ。
この対談の中で、受験勉強的アプローチがあまり良くない言われ方をして、「きれいな答えがあるはずだ」というたけしの山かけアプローチと別の物として考えられているようだ。だけど、たけしの答えありきの発想も受験的な感じがする。
たぶん問題にしたいのは「受験勉強的」かどうかではなくて、愚直な暗記的数学か発想的数学かの違いなのだろう。


発想の快刀で問題を斬った時、その見事な切り口がこの番組の言う「美しい数学」になる。数学の「美しさ」はある意味結果にすぎなくて、重要なのはそれを生んだアイデアや発想だ。「美しさ」と「発想」は明確には分けられないのかもしれないけど、数学が生得的に持つ「美しさ」よりも「発想」の方にもう少し焦点を当ててもらいたい気がする。