「カミーユ・クローデル展」 府中市美術館

カミーユ・クローデル展 公式ページ


彫刻の良し悪しというのはよく分からないのだけど、いや、じゃあ他は分かるのかと言われると他も分からないのだけど、見ているうちに「肉体感」とでも言うようなものを感じてくる。
よく微妙な陰影が強調されたようなごつごつした感じのデッサンを見かけるけど、それを彫刻にしたような印象だ。人の体っていうのはずいぶん凹凸があるんだな。普段気が付かないのはそんなに強い光の下で見ることがないからか? ああ、ぜい肉のせいか?
カミーユ・クローデルの師匠アルフレッド・ブーシェの作品がひとつだけ展示されている。これは柔らかい曲線で出来ていて、童話の挿絵を彫刻にしたような感じだ。最後に展示されているその作品との対比で、余計に力強さが印象づけられた。


俺の場合、動きのある彫刻は映画やアニメのキャラクターのフィギアやジオラマを見るような楽しさだったので、芸術的な彫刻美が分かる人とは少し見方が違うかもしれない。まるでサーフィンの写真に写っているような大きな波と波打ち際で遊ぶ少女達の像、「波 あるいは水浴する女達」という作品は、異様に強調された波が非日常的なバランスを作っていて面白い。