「ミッドナイトムービー」 監督 スチュアート・サミュエルズ

http://www.cinemacafe.net/special/midnight-movie/


「エル・トポ」、「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」、「ハーダー・ゼイ・カム」、「ピンク・フラミンゴ」、「ロッキー・ホラー・ショー」、「イレイザーヘッド」。確かにどれにも共通するアウトサイダーの匂いのようなものはあるけど、これらが「ミッドナイトムービー」と呼ばれる映画だとは知らなかった。70年代、これらの映画が深夜上映され盛り上がっていたそうだ。
このドキュメンタリーでは、監督達を初めとする関係者にインタビューし、当時どんな状況だったのかを想像させてくれる。なかなか興味深いけど、わざわざ映画館で見るものでもなかったかなあ。
このドキュメンタリーは「ミッドナイトムービー」をただ紹介するだけのように見えてしまったけど、何か他の意図があったのかな。例えば、世間で評価されていない部分に光を当てるとか、人が知られていない発見を見せるとか。
確かに俺は「ミッドナイトムービー」というものをこの映画で知ることになったわけだけど、それで? という感じは否めない。
ミッドナイトムービー」のテイストが現在のアメリカ映画の主流になっていると語られているけど、今観てもこれらの映画はかなり異端じゃないかなあ。70年代に比べれば刺激に鈍くなって変態度は増しているのかもしれないけど、それでも犬のうんこを喰うシーンは今でもメジャー映画には出てこないだろう。
70年代のメジャー映画がどれだけ健全で、今のメジャー映画がどれだけ悪食化したかという変化を実感として知らないと、この映画で「なるほどー」と感心できないのかもしれない。