「ガロアと群論」 リリアン・リーバー 著

ガロアと群論

ガロアと群論

70年前ぐらいに書かれた本らしいけど、斬新だ。こういう本は見た事がない。これは群論について解説した数学の本だ。しかし、数式ではなく言葉で、それを説明しようとする(数式がないということではないけど)。しかも文章はフレーズごとに改行される。例えば1章はこんな感じで始まる。

群の理論そのものを論ずる前に、
なぜ、それがそんなに重要なのか、
その多くの理由のうち、せめて1つを
お話ししておくのがよいであろう。


数学の重要な役目の1つが
方程式を解くことである、
というのは常識だ。
代数方程式は、
それらの次数によって
分類される。

全編こんな感じだ。かと言ってなめてかかると、やはりそこは数学の本だし群論の説明だし、すらすらと読めて理解できるわけじゃない。
俺は後半はあまり理解できていない。数学にとっての群の意味もよく分からないままだ。群を使って方程式を解く(あるいは解けないことを証明する)ことができることは分かったけど、それがどう他に応用されるんだろう。
じっくり行列式を理解しながら勉強するつもりなら普通の入門書の方がいいかもしれないけど、ちょっと読んでみるには普通の入門書よりは分かり易いんじゃないかと思う。厳密な論理をどのように展開するかは、論理的に生まれるのではなくアイデアから生まれることを感じることが出来る。