「組込みシステム開発事例集」 太田公廣 監修/産業技術連携推進会議 情報・電子部会 組込み技術研究会 編

組込みシステム開発事例集

組込みシステム開発事例集

背景をまだ良く理解していないのだけど、公設試と呼ばれる地方自治体に設置されている研究機関があり、そこが支援した企業の製品開発の紹介らしい。ひとつの事例説明は5,6ページで、技術的な説明はあまり深いところまでは触れていない。その点では少し物足りないが、その代わり、数多くの事例が紹介されている。
普段の生活で目にするコンピュータが組み込まれた製品は、まあ、PCとかHDDレコーダーとか携帯とか車とか、大企業が人と金を大量に投入して作られたものだ。でも、世間にはそれ以外にいろんな製品があるんだなあと感じさせてくれる。米の品質を測定する装置、パラボラアンテナの自動方向調整装置、豆腐などのゲル状食品の凝固検査装置等々。
ある程度大きい企業であれば、大まかに言えば機械とか電気とかソフトとか、さらにその中で細分化された分野の担当者がいて開発が分業化されているのだろう。しかし、想像の域を出ないが、この本に出てくるような企業は一人が幅広く担当しているのだろう。それを助けるのが公設試と呼ばれる機関らしいのだけど、それでも開発力格差はかなり大きいだろうなあ。そうでもないのかな。
世の中のあらゆる分野に最先端技術が使われているわけではない。金と人は利益を生むところに投入される。素朴な感想だけど、あらゆる分野に採算度外視で現時点の先端技術が投入されたら、それだけで世の中はだいぶ変わるんだろうなあ。