「ダ・ヴィンチ・コード」 監督 ロン・ハワード

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この日記にいろいろ書いてきたけど、一度見ただけの感想なんて相対的なものだよなという事を改めて思った。事前に面白い面白いと言われて、面白いらしいと先入観を植え付けられてから観てしまうとがっかりする事がよくある。逆に悪い噂ばかり聞いて観に行くと、大抵面白く観れてしまう。そういう意味で、この「ダ・ヴィンチ・コード」についてはあまりいい話を聞かないので、たぶん楽しめるだろうと予想していたら、実際面白かった。そんなに悪く言うほどかなあ? 先入観一切なしで見ていたら、やっぱり酷評してたんだろうか。あるいは原作を読んだ段階で一度失望しているから、映画に期待を持っていなかったんだろうか。あるいは無意識のうちに頭の中で補足してたんだろうか。


この映画がどの程度特定の宗派を貶めているのかは、実感としてはよく分からない。オプス・デイという実在の組織がこれだけ気持ち悪く描かれれば、当の組織が反感を抱くのは当然だろう。でも、キリスト教信者、特にカトリック信者が、ここに描かれた事によってどれだけ侮辱されたと感じているのかは、いくつかの国で上映禁止になり、同時にキリスト教が普及している多くの国で受け入れられヒットしていると言う事実から想像するしかない。日本で仏教を侮辱するような映画が作られたとしてもそれほどの騒ぎになるとは思えないので、あえて日本に置き換えて想像するなら天皇を侮辱するような映画になるのだろうか。そこまではいかないか?


少なくても、原作から予想したよりはだいぶ良かったような気がする。「ダ・ヴィンチ・コード」が映画化されると聞いた時はどんな映画になるんだろうと思った。面白いのは暗号とかキリスト教の歴史の講釈などで、話自体は、他人がやっているロールプレイングゲームを横から見ているような退屈さがあった。ストーリーは問題じゃなくて演出の問題だったのかな。説明がどのくらい省かれているのか、原作を忘れてしまったので分からないけど、説明の部分もそれなりに楽しめるし説明がメインとも感じさせない程度の分量だった。
原作で唯一ドラマ的な面白味を感じた飛行機の中の会話がなくなっていたのは残念だった。とか言って、どんな会話だったのかは忘れてしまったけど。


それと映画がどうこうというより、オドレイ・トトゥの鼻にかかった英語が良い。それが一番の見所かも。


原作を読んだ時にも思ったんだけど、このシリーズは映画化よりもゲーム化してほしいんだよな。俺が知らないだけかもしれないけど、試行錯誤とアクションだけのゲームが多くて、こういう感じのパズルとか謎々を解かなきゃ進めないゲームって見たことないんだよな。