「銀河ヒッチハイク・ガイド」 - 冗談の極み

TVドラマ版全6話。昨年の映画版は、想像したほど変えていないんだなというのが最初の感想だ。TV版は小説版の「宇宙の果てのレストラン」まで含んでいるし、ストーリー的には違う部分はあるけど、このシリーズのキモとも言うべき、ガイドの説明が、どちらも似たような、なめた感触を持っている。そういう意味では、TV版は始めて見たけどあまり新鮮味はなかった。もちろん面白い事に変わりはない。


今思えば、映画版はたしかラストを丸く収めてしまっていた。それはつまり続編は作らないと言う事なんだな。まさか原作と全く違う続編は作らないだろう。残念。ダグラス・アダムスが生きていたら続編もあったんだろうか。


TV版のラストではルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界」が流れる。この曲は比較的映画でよく使われているような気がするんだけど、思い出したのは「12モンキーズ」だ。あれもラストに同じ曲が流れる。このドラマをテリー・ギリアムが見てないとは思えないんだけど、関係はあるのかな。
でだ、書きたいのはそういう事じゃなくて、大自然をバックに「この素晴らしき世界」が流れてしまうんだけど、妙にそこだけまともに見えてしまう。「かけがえのない地球」的な雰囲気になってしまって、それまでの「人生、宇宙、すべて、そんなのどうでもいいじゃん」的な、そういうものに固執する事を突き放して笑うような感覚があまり感じられなくて少し残念な感じがした。もちろん、その「素晴らしき世界」があっけなくヴォゴン星人に破壊されてしまうという皮肉は効いてるんだけど、何せ200万年後だからなあ。
小説版の「宇宙の果てのレストラン」のラストはどんなだったけなあ?忘れた。


それと小さい事でもう一つ気になった事があった。ほんとに大したことじゃない。主人公と行動を共にする宇宙人がベテルギウス出身だと説明される時、画面には次のように表示されている。

ORIGIN:
Betelgeuse
(PRN. BEE-TLE-JOOCE)


PRN.というのは発音という事らしい。cocoongoogleと同じで、oが二つ並べば自然とウーという発音になるのだろうから、これでビートルジュースと発音する事が分かるのだろう。実際ナレーションではビートルジュースと言っているようだ。
ビートルジュースと言えば、ティム・バートンの映画に「ビートルジュース」がある。マイケル・キートン演じるビートルジュースは、Betelgeuseと言う名前だったらしい。
SF MOVIE DataBank:ビートルジュース


これは何か関係があるのか?


と思ったけど、Betelgeuseの発音は本当にBeetle Juiceと同じみたいなので、もしかしたらめずらしくないダジャレなのかもしれない。
Yahoo!辞書−プログレッシブ英和中辞典 Betelgeuseの検索結果
Yahoo!辞書−プログレッシブ英和中辞典 beetleの検索結果
Yahoo!辞書−プログレッシブ英和中辞典 juiceの検索結果


というか、このドラマの方ではjuiceとも書いてないので、ダジャレですらないのかもしれない。ほんとにただ発音の説明を入れただけだったのかも。


それから、「ナイト・ウォッチ」について書いた時、「劇場でこんな刺激的な映像を見るのはほんとに何年ぶりだろう」と書いたけど、昨年「ヒッチハイク・ガイド」で見たんでした


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