「ワン・モア・タイム」 監督 エミール・アルドリーノ

10年以上前に面白いと思った映画を、今観てまだ楽しめるのか不安だった。時代背景も違うし、自分の年齢も違う。しかし、全く問題なかった。今でもこれは好きな映画の一本だと言える。
これは、若くして事故で死んでしまった男が、天国での手違いで前世の記憶を持ったまま、生まれ変わるという話だ。男は図書館で顔見知りになった娘とお互いに惹かれ会う。家に行って母親に出会った時、前世の記憶が甦る。そこにいるのは前世の自分の奥さんと娘だった。
俺が好きなシーンは、自分の部屋に忍び込んできた前世での娘に、「今幸せか?」と聞くシーンだ。2人は同年代だ。しかし、その時男は自分の娘を見る父親の顔をしている。そして同時に、そのセリフを聞いたとたにん、映画を見ている俺が女の子を見る目も変化する。父親としての主人公に感情移入して、女と言うよりも子供として、その娘を見ているのだ。自分の認識が、視線を変化させている事を意識できる面白いシーンだ。
シビル・シェパードは最近見かけないけど、映画には出ないのかな。への字口が可愛らしい。「私はあなたのお母さんの歳なのよ」というセリフがあるが、シビル・シェパードだったら全然そんなのは気にならない。
同じ時期の似た映画に「メイド・イン・ヘブン」という映画がある。これも好きな映画で「ワン・モア・タイム」を観たら無性に観たくなったんだけど、どうもDVDでは出てないみたいだ。マイナーな映画でもないと思うんだけどなあ。