「ハックル」 監督 パールフィ・ジョルジ

何を見せようとしているのか、まったく意図が分からなかった。人や物や動物や虫を超至近距離から撮った映像が多く、最初は「ミクロコスモス」みたいな事をしたいのかと思った。しかし、多少そういう部分もあるが、そこはメインではないようだ。
次は音かと思った。リズミカルな音。でも、音もこの映画の重要な要素にはなっているが、メインでもないようだ。人はぱらぱらと出てくるが、台詞は全くない。自然の中で、仕事して、居眠りして、食事して、しゃっくりするだけだ。
おかしな映像の背後で、実は物語は発生している。しかも殺人事件だ。でも人間ドラマはそこには全くない。動機も悔恨も快楽もない。
人間ドラマは、自然の中に埋もれる。


ここまで理解できなかった映画もめずらしい。ハンガリー恐るべし。
この映画がたくさんの国際映画祭で賞を獲っているのがくやしい。