「ライフ・イズ・ミラクル」 監督:エミール・クストリッツァ

この題名は「ライフ・イズ・ビューティフル」を意識した邦題かと思ったら、原題だった。
あの結末って奇跡だったのか?ちょっと話の展開について行けなかったので、よく分からない。捕虜として自分の国に返還された後は、本当だったらこっちに戻ってこれないはずなのに、って事だったのかな。
狂騒はこの映画でも健在だ。人間のエネルギー、動物、自然、破壊、猥雑さ、こういうモノに「世界」の中の、一部としての人間を感じさせてくれるような体質を持った映画だった。それはエミール・クストリッツァがどこまで意図的に表現しようとしてるものか分からないけど、たぶん、この人の体に染みついている視点から自然と刻まれるものなのだろう。
この映画には、愛とか家族とか戦争とかいろいろな要素が含まれていて、クストリッツァが描きたかったのも、そういう要素による人生の皮肉とか機微とか喜びとかだったのかもしれない。だけど、少なくても俺はそういったテーマよりも、さっき書いたようなこの映画の体質に魅力を感じた。背景に対する知識がないせいかもしれない。