「太陽」 監督 アレクサンドル・ソクーロフ

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この映画の中では、昭和天皇アンガールズのコントのような笑いをまとって描かれる。大臣達、アメリカ兵達との対比で相当好意的に描かれている。
天皇という存在については、なぜ権力者だったのに処刑されなかったのか、形が変わったとは言えなぜ天皇制自体は存続しているのか等々、よく知らないことがいろいろあるのだけど、映画とは関係ないと思うので(ほんとか?)、とりあえず脇に置いておく。
ロシア人監督は何を描こうとしたのか。歴史を引き受ける一個人?「神」を演じる一個人? この映画の中の昭和天皇は科学のフィルターを通して社会を見る。社会的な抽象物ではなく生き物として人間を見る。侍従に対してはのっけから「人間宣言」している。この勢いでは戦争に勝とうが負けようが「人間宣言」をしていただろう。この社会的立場と生き物的立場との軋轢を描こうとしているのか。