「トコトンやさしい真空の本」 麻蒔立男 著

科学的に真空とは何かという話ではなくて、真空をどんな風に扱って、どんな風に利用できて、どんな特性があるか、という工学的な応用の話。専門家ではないので内容自体がいいかどうかの判断はできないけど、図の中に赤い部分がないのに「赤色の部分が」とか書いてあったり、どっかから引っ張ってきてそのまま専門用語の説明もなしに載せてしまったような図があったりと、細部のまとめ方には少し雑さがある。でも入門書としてはこんなもんか。ちゃんと知りたかったら専門書を読めと。
重箱の隅なんだけど、一箇所だけ、なんだそれと思ったところはある。この本によると、プラズマという言葉は物理学では「神秘的で不思議な流動物」を指すそうだ。物理的に説明すると難しくなるから簡単にしようと思って書いたのかもしれないけど、まるでプラズマという言葉の物理的な定義が「神秘的で不思議な流動物」であるかのように読めてしまう。


特に悪いわけでもないけど、「なるほど!なるほど!」と面白く読める本でもなかった。