気になったニュース3つ

たまたま引っかかるニュースを続けて読んだので、たまにはウェブログっぽくニュースについて。


ひとつ目のニュース。
Expired


気になったところというのは瑣末的なところなんだけど、そのせいでこの記事自体の信用性に疑問を持っている。
こんな事が書いてある。

安全の専門家の間では、機載コンピュータの着実な進歩は過去20年間、米国および欧州の多くの地域でジェット旅客機の事故率が大きく減少した主要な原因だという点で意見が一致している。北米では、1980年代後半の事故率は100万便中1.3件だった。2004〜2005年には、これが100万便中0.4 件にまで下がった。つまり航空機が墜落する確率は200万回に1回を下回るということだ。

墜落する確率が200万回に0.8回ってどんだけジェット旅客機が墜落してんだ?ほんとかよ。そんなに落ちてんの?事故率ってほんとに墜落件数の割合なのか?


成田国際空港の概要
この資料によると、成田空港の年間発着回数が17万だ。成田空港だけで。世界の上位10箇所の空港の発着回数を足しただけで300万弱。単純に1便が発と着で2回カウントされるとすると150万便弱。北米の事故率というのが世界中でもだいたい同じとすると、世界中でどれだけジェット旅客機が墜落してるんだ?


同じニュース記事の中に次のような記述もある。

古い航空機で使われているコードが100万行に満たないのに対し、最新のジェット旅客機では優に500万行を超えるコードが使われている。このため、その中に潜む問題がパイロットを驚かす前に、これを検出して修正するのは次第に難しくなっている。

500万行?ジェット旅客機って意外とソフト規模は小さいのね。


"ものづくり"としての高品質なソフトウェア開発を目指して
ソフトウェア開発力強化政策について

この2つの資料によると、

Windows2000 6000万行
Linux(RedHat(2002))  3000万行
携帯電話 500万行
カーナビ 300万行
薄型テレビ 60万行
DVDレコーダ 100万行

だそうだ。

ジェット旅客機の制御ソフトは携帯並のソフト規模なの?
飛行機ってなんか特殊な環境を使ってるんだろうか。あるいはコードのカウント方法が違うのか。あるいは、まだソフトウェア化する必要性もそんなになくて、ソフト化が行われていないんだろうか。あるいは、使い方が限定されているから万人向けに多機能にする必要がなくてそんなもんなんだろうか。
ほんとかよ。


2つ目の気になったニュースは、今話題のシンドラー社についての報道の仕方だ。
http://www.asahi.com/national/update/0609/SEB200606090007.html
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060609it01.htm
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20060608dde001040021000c.html


まあ、いろんなところで、こんな事があった、あんな事もあったと報道されている。事故が何件あったと数字を出してくれるのはいいけど、こっちにはそれを判断する基準の知識がないんだ。過去何年で何件あったと言われても、それが多いのか少ないのかを判断できる人がどれだけいるんだ? そんなに数字を羅列するなら、比較対象として他のエレベータ会社の事故件数を載せてくれ。それで他の会社よりシンドラー社の事故件数が多ければ、「ああ、なるほど」と初めて納得できる。比較もできないのに、そんなに数字を並べる事にどれだけ意味があるんだ?
読売の記事には専門家と呼ばれている人の言葉が載っている。

専門家は「一般的に予想されるより、故障の率はかなり高いのではないか」と指摘している。

きちんとした故障率を把握してない状態での、明らかにただの推測だよね。これは。


JR福知山線脱線事故の時は、連日のように「オーバーランオーバーラン!」とオーバーランの記事が続いたが、今はそんな記事を見かける事はない。しかし、もちろんオーバーランがなくなったわけじゃないだろう。
今は小さなエレベーター事故まで記事にされているが、たぶん半年したらニュースにならなくなる事は目に見えている。今は本来ニュースとしての価値がない事故まで取り上げられている。


念のため書いておくけど、あの事故にニュース価値がないと言っているわけじゃない。あの事故は重大な事件だと思う。ただ、それに合わせて小さなニュース価値のない事故まで、まるで弱い立場にいる者をいじめるのが楽しくて仕方ないという感じで報道している様子が、報道をただの娯楽に貶めているなあと感じてしまうのだ。しかも、客観公正正義の味方ですみたいな風を装ってるところに欺瞞を感じる。
事故は確かに問題だ。小さな事故でも被害者にとっては重大なことだろう。あくまでもここで言っているのは、報道の仕方だ。
ニュースも娯楽として消費されるものだから仕方ないのかもしれないけど、気分屋だよな。


3つ目。
日常を三人称視点にするTHE THIRD EYE - Engadget 日本版
やっと文句じゃないニュース。

ヘッドギアから伸ばしたブームの先にカメラを取り付け、ヘッドマウントディスプレイで自分を客観視できるデバイス「第三の眼」。

この機械をつけてしばらく生活していたら、自分の意識はどこにあると感じるようになるんだろう。
俺は意識は頭にあるような気がしている。けど、それは目が顔に付いているからそう感じるだけで、もし仮に目が足に付いていたら、俺という意識は足にあるような気がするんじゃないかとずっと思っていた。
このデバイスでは、視点は自分の肉体の外だ。もしこの視点で1年間過ごしても、自分という意識はそのまま保てるんだろうか。


ワールドカップが始まった。フランスが負けてからもう4年かあ。