「パフューム ある人殺しの物語」 監督 トム・ティクヴァ

映画「パフューム ある人殺しの物語」オリジナル・サウンドトラック
・途中が並みのサスペンス映画のようになってしまったのが残念だけど、初めの方と終わりの方は特殊な面白味があった。
・香りそのものは映画では表現できない(たまにやる映画もあるけど)。香り以外のものを描くことで香りの輪郭線をなぞってシルエットを浮かび上がらせる。だけど、そうやって香りを視覚的に表現しようとした生気や汁気の描写が、逆にあるべき香りの不在を余計に感じさせる。それが成功なのか失敗なのかよく分からないけど逆説的で面白い。
・すぐそこの壁の向こうやすぐ背後に潜む人物と、それに気付かない人物の緊張感。死角の息づかいに裏の世界を感じる。